軒裏(軒天)とは?軒裏の役割と不具合を知っておこう

「軒裏」や「軒天」は、屋根が外壁から外側に飛び出した際に、その裏側に存在する天井部分を指します。
今回は、この軒裏の基本知識から、その役割、種類、使用される材料、選び方、リフォーム事例、あるいは効果的なメンテナンス方法や修理方法、
そしてその相場まで、実用的な情報を詳しく解説します!
軒裏(軒天)とは?

軒裏は、屋根の安全性や家の耐久性に大きな影響を与える重要な部分です。
家の外壁から外側に出た屋根の際に、その裏側にある天井の部分を指します。
その他の呼び方
- 軒天:軒裏と同義。下から見上げたときに言われることが多い
- 軒下:軒の下にある空間を指す
- 軒先:軒の先端部分で、家屋の軒に近い場所を意味する
「軒天」は「軒裏天井」、「上げ裏」、「軒天ボード」などとも呼ばれ、上から見下ろした場合に「軒裏」、下から見上げた場合に「軒天」と言われます。
軒裏の役割
軒裏には、さまざまな重要な役割があります。ここでは、その主要な仕事を詳しく解説します。
1. 防火・延燃防止
火災時の延燃を防ぐために、耐火性のある軒裏材料が使用されます。
2. 屋根構造の保護
雨風や日光から屋根の構造材を守る役割を持っています。
3. 美観の向上
住宅の外観を整えるためにも重要な要素となっています。
4. 通気・換気機能
屋根裏の湿気を排出し、結露やカビの発生を防ぐ効果があります。
5. 雨水の遮断と防水性の確保
雨樋と連携し、建物内部への浸水を防ぐ役割を果たします。
6. 断熱・遮音効果
断熱材を併用することで、室内の快適性を向上させます。
7. 防虫・防鳥対策
害虫や鳥の侵入を防ぎ、屋根裏の衛生環境を守る機能があります。
軒裏の2つのタイプ
軒裏には、大きく分けて2つのタイプがあります。
1. 外壁一体タイプ
- 特徴:モルタルなどの塗り壁と同じ材料で仕上げるタイプ。
- 使用例:マンションやアパートなどで多く採用。
- メンテナンス:外壁と同時に行われることが多い。
2. ボードタイプ
- 特徴:サイディング外壁の建物でよく使用され、軒裏には専用のボードを取り付ける。
- 使用例:戸建て住宅で多く採用。
- メンテナンス:塗装や部分交換が可能。
軒裏に使用される材料と種類
軒裏に使用される材料は、建物のデザインや耐久性、予算に応じてさまざまです。以下に代表的な材料を紹介します。
1. 合板(ベニヤ板)
- 特徴:安価で加工しやすい。
- 寿命:5〜10年
- メリット:低コストで施工しやすい。
- デメリット:耐火性・耐水性が低い。
- 相場:1㎡あたり2,000〜4,000円
2. ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)
- 特徴:耐火性・耐水性に優れる。
- 寿命:20〜30年
- メリット:軽量で施工しやすい。
- デメリット:衝撃に弱く割れやすい。
- 相場:1㎡あたり3,000〜6,000円
3. 金属板(ガルバリウム鋼板・アルミスパンドレル)
- 特徴:耐久性・耐火性が高い。
- 寿命:30〜40年
- メリット:軽量で高い耐久性を持つ。
- デメリット:金属特有の冷たい印象を与えることがある。
- 相場:1㎡あたり7,000〜12,000円
軒裏の選び方
軒裏は、使用する素材や構造によって性能やメンテナンス性が異なります。以下のポイントを押さえて、最適な軒裏材を選びましょう。
1. 耐火性を考慮する
軒裏は屋根や軒先に設置されるため、火災時の延焼を防ぐ役割があります。特に防火地域や準防火地域では、不燃性の高い材料が推奨されます。
- おすすめの素材:ケイカル板、スラグ石膏板、金属板
- 避けた方がよい素材:合板(ベニヤ板)は耐火性が低いため、防火地域では不向き
2. 耐水性と耐湿性を確認
雨水や湿気にさらされる場所のため、耐水性が高い素材を選ぶことが重要です。特に、梅雨や多湿な地域では湿気による劣化が進みやすいため、吸水しにくい素材を選びましょう。
- おすすめの素材:ケイカル板、フレキシブルボード、金属板
- 避けた方がよい素材:合板やスラグ石膏板は湿気に弱いため、適切な防水処理が必要
3. 美観に配慮する
軒裏は家の外観にも影響するため、デザインやカラー選びも重要なポイントです。最近では、木目調のケイカル板やアルミスパンドレルなど、デザイン性に優れた素材も増えています。
- ナチュラルな雰囲気を演出:木目調のケイカル板、フレキシブルボード
- モダンな仕上がり:金属板(ガルバリウム鋼板やアルミスパンドレル)
- シンプルな外観:塗装済みのケイカル板やスラグ石膏板
4. メンテナンスのしやすさを考慮
素材によってメンテナンスの手間が変わります。頻繁にメンテナンスが必要な素材よりも、長持ちする素材を選ぶことで、維持管理のコストを抑えることができます。
- メンテナンスが容易な素材:金属板(塗装済み)、ケイカル板(防汚加工済み)
- メンテナンスが必要な素材:合板(定期的な塗装が必要)、スラグ石膏板(表面の補修が必要)
5. 通気性を確保する
屋根裏の湿気を逃がし、結露やカビの発生を防ぐために、軒裏には通気口や有孔ボードを設置するのがおすすめです。特に夏場の屋根裏は温度が上がりやすいため、適切な換気が必要です。
- おすすめの構造:有孔ボード、通気口付きケイカル板
- 注意点:開口部があると虫が侵入する可能性があるため、防虫ネットの設置も検討しましょう。
6. コストとのバランスを考える
予算に応じて、耐久性とコストのバランスを考えながら選びましょう。安価な素材は短期間で劣化しやすく、長期的にみるとコストがかかることがあります。
素材 | 価格(㎡あたり) | 耐久性 | メンテナンス頻度 |
合板(ベニヤ板) | 2,000〜4,000円 | 5〜10年 | 高い(塗装が必要) |
ケイカル板 | 3,000〜6,000円 | 20〜30年 | 低い(汚れ除去程度) |
スラグ石膏板 | 4,000〜7,000円 | 15〜25年 | 中程度(割れ補修が必要) |
フレキシブルボード | 5,000〜8,000円 | 20〜30年 | 低い(定期点検推奨) |
金属板(ガルバリウム鋼板等) | 7,000〜12,000円 | 30〜40年 | ほぼ不要(防錆処理のみ) |
7. 施工業者の選定
適切な軒裏材を選んでも、施工が不適切だと効果が半減してしまいます。施工業者の実績や口コミを確認し、信頼できる業者に依頼しましょう。
- 業者選びのポイント
- 施工実績が豊富であるか
- 防火・耐水対策がしっかりされているか
- 事前に詳細な見積もりを提示してくれるか
- 施工後のアフターサービスがあるか
適切な材料選びと施工を行うことで、軒裏の耐久性や機能を最大限に活かすことができます。
軒裏の劣化サインと修理方法
軒裏は経年とともに劣化し、さまざまなトラブルが発生します。以下のようなサインが見られたら、早めの修理を検討しましょう。
1. 合板(ベニヤ板)の劣化サインと修理方法
- 劣化サイン:剥がれ、反り、カビ、腐食
- 修理方法:劣化部分の張り替え、塗装による保護
2. ケイカル板の劣化サインと修理方法
- 劣化サイン:割れ、反り、汚れ
- 修理方法:ひび割れの補修、部分交換、再塗装
3. 金属板の劣化サインと修理方法
- 劣化サイン:錆び、色褪せ
- 修理方法:錆び部分の研磨と再塗装、錆止め塗装
4. 有孔ボードの劣化サインと修理方法
- 劣化サイン:穴の拡大、汚れ
- 修理方法:汚れの清掃、劣化部分の交換
軒裏の修理費用の相場
軒裏の修理費用は使用される素材や施工内容によって異なります。以下に一般的な修理費用の相場を示します。
修理内容 | 費用相場(㎡あたり) |
合板(ベニヤ板)の張替え | 4,000円〜6,000円 |
ケイカル板の張替え | 5,000円〜7,000円 |
金属板(ガルバリウム鋼板等)の張替え | 7,000円〜10,000円 |
有孔ボードの張替え | 6,000円〜9,000円 |
その他の費用
- 足場設置費用:15万円〜25万円(範囲による)
- 高圧洗浄費用:1,000円〜2,000円/㎡
- 塗装費用:1,500円〜3,000円/㎡
- 廃材処理費用:5,000円〜15,000円
費用を抑えるポイント
- 定期的なメンテナンス:劣化を早期に発見し、部分的な修繕で済ませることで費用を抑えられます。
- 複数の業者から見積もりを取得:価格競争を促し、適正価格での施工が可能になります。
- 外壁塗装や屋根修理と併せて施工:足場費用を一度で済ませることで全体のコストを削減できます。
軒裏のリフォーム事例
事例1:ベニヤ板からケイカル板への交換
- 場所:大阪市北区
- 施工内容:劣化したベニヤ板を撤去し、耐火性・耐水性に優れたケイカル板に交換
- 施工期間:3日間
- 費用:8万円(税込)
- お客様の声:「見た目が明るくなって気に入っています。ずっと気になっていたのでスッキリしました!」
事例2:ケイカル板の設置と塗装
- 場所:吹田市
- 施工内容:通気性を改善するため、有孔ケイカル板を設置
- 施工期間:2日間
- 費用:13万円(税込)
- お客様の声:「腐りかけていたので屋根も心配だった。部分補修ですんで安心しました」
軒裏修理に関するよくある質問
軒裏の修理やメンテナンスについて、よく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 軒裏の修理はどのくらいの頻度で必要ですか?
A. 一般的には10〜20年ごとに点検し、必要に応じて補修を行うのが理想です。軒裏材の種類や気候条件によって異なりますが、定期的なメンテナンスで長持ちさせることができます。
Q2. 軒裏の劣化サインにはどんなものがありますか?
A. 代表的な劣化サインには以下のようなものがあります。
- 塗装の剥がれや変色
- 軒裏の反りや割れ
- カビや黒ずみの発生
- 雨水のしみ跡や腐食
- 虫や鳥の侵入跡 これらの症状が見られたら、早めの補修を検討しましょう。
Q3. 軒裏の修理費用はどれくらいかかりますか?
A. 修理費用は素材や施工内容によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
- 部分補修:5,000円〜10,000円/㎡
- 全面張り替え(ケイカル板):5,000円〜7,000円/㎡
- 全面張り替え(金属板):7,000円〜12,000円/㎡
- 塗装のみ:1,500円〜3,000円/㎡ また、足場の設置が必要な場合は別途15万円〜25万円ほどかかることがあります。
Q4. 軒裏の修理はDIYでも可能ですか?
A. 小規模な補修(塗装や軽微なひび割れの補修)であればDIYも可能ですが、大規模な修理や張り替えは専門業者に依頼するのが安全です。特に高所作業は危険が伴うため、無理に行うと事故の原因になります。
Q5. 軒裏修理の際に一緒に検討すべきことはありますか?
A. 軒裏の修理を行う際に、以下の点も併せて検討するとよいでしょう。
- 雨樋の点検・清掃:軒裏と同様に外部環境にさらされるため、劣化が進んでいる可能性があります。
- 外壁や屋根の塗装:足場を設置する場合、外壁や屋根の塗装を同時に行うとコスト削減になります。
- 防虫・防鳥対策:軒裏の隙間を塞ぐことで、害虫や鳥の侵入を防ぐことができます。
Q6. 軒裏の張り替えに適した季節はありますか?
A. 軒裏の修理や張り替えは、一年中可能ですが、**春(3〜5月)や秋(9〜11月)**の温暖な時期が最適です。夏は熱中症のリスクがあり、冬は寒冷地での作業が難しくなることがあります。
Q7. 軒裏修理の際に使用する素材の選び方は?
A. 軒裏材を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
- 耐火性:火災対策として不燃材(ケイカル板、金属板)を選ぶ
- 耐水性:湿気や雨水に強い素材(フレキシブルボード、金属板)を使用
- デザイン:外観に合わせたカラーやデザインを選択
- メンテナンス性:掃除しやすく、汚れにくい素材を選ぶ
Q8. 業者に依頼する際のポイントは?
A. 信頼できる業者を選ぶためには、以下の点を確認しましょう。
- 過去の施工実績を確認する
- 見積もりを複数の業者から取る
- 保証やアフターサービスがあるかを確認
- 口コミや評判を調べる
まとめ
- 軒裏(軒天)は、建物の外観と機能性において重要な役割を果たします。
- 耐火性・耐水性・美観を考慮して適切な材料を選びましょう。
- 定期的なメンテナンスやリフォームで、長持ちさせることができます。
お問い合わせ情報

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